私の視野や興味を広げてくれました

写真提供:たっちゃんさん

アルバイトをしたきっかけ

高校時代、山岳部の活動でテント泊をするなかで、山で暖かく眠ることやトイレの整備があることが、いかにありがたいことか身をもって知りました。だからこそ、お客様の快適な登山を支える側の仕事に興味をもちました。
また、山岳医療への興味もきっかけの1つです。物品の少ない、厳しい環境での働き方を学び、多様な価値観に触れる経験を今後のキャリア形成に活用したいと考え、応募しました。

アルバイトをして良かったこと

コロナ禍も含めて、お客様にどうあってほしいかをスタッフ目線から学べたことです。
多くの山小屋で、感染対策のために収容人数を減らした上で完全予約制をとっています。またコロナに関わらず、安全登山のために、体力に合わせた計画や早出早着はマストです。こうしたルールの中で皆さまに無事に到着していただけると、スタッフは安心して仕事ができますし、精神的にも穏やかでいられます。
また、世代や経歴の異なる人たちと生活を共にすることは、私の視野や興味を広げてくれました。
例えば料理に関して、私は今まで作ることにさほど興味がありませんでした。しかし、毎日おいしい賄いをいただいたり、自分が賄い担当になったりするうちに、食材のチョイスや味付けの工夫が楽しくなりました。下山してからは、先輩スタッフに作っていただいた料理を再現して家族に振る舞っています。

アルバイトをして大変だったこと

限られた水でトイレをきれいにすることです。
私がお世話になった山小屋では水を汲み上げておらず、溜めた雨水で全てをまかなっていました。そのため、トイレでは用を足した後に流水で流すことができず、特に男子トイレの小便器は黄色い汚れがこびりついていました。
こうなるとブラシでこすっても落ちないので、紙ヤスリで陶器を削って白くするのです。
便器に正面から向き合う時間は、姿勢がきつくて大変でした。でもメンタルは鍛えられた気がします(笑)。

山小屋に持っていって良かった物や役に立った物

お気に入りの本やイヤホンなど、休憩時間を充実させるグッズ。
周辺の山域を含めた地図を常にポケットに入れておくと、お客様に尋ねられた時に安心。